いつだって考えるのはこどものことばかり

お兄ちゃんの思わぬ誤食からの

実録！犯罪列島２　シネマヴェーラにて

２０００年制作　阪本順治監督

キャスト

吉村正子：藤山直美　妹由香里：牧瀬里穂

母親常子：渡辺美佐子　山本俊郎：中村勘九郎

花田英一：岸辺一徳　狩山健太：國村準

中上洋行：豊川悦司　姉律子：大楠道代

映画館で、貰ったチラシには、実録！犯罪列島

なんて、書いてあるし、映画の紹介文には、

福田和子が同僚のホステスを殺し、整形しながら

逃亡を続け、時効寸前に逮捕された話を元に

作った映画と、書いてあったので、何か暗く、

重い映画なのかな？と思って、観たら、

確かに、殺人逃避行映画なんだけど、明るく

乾いて、コメディか？と思うような映画でした（笑）

直美さんは、幼い時、父親が蒸発してしまって、

それが、トラウマとなって、母親の経営する

クリーニング屋の２階に４０近くなるまで、

ひきこもり、ミシンで、かけはぎの仕事を

黙々と続けて、一方妹の牧瀬里穂は、同じ姉妹

なのに、ここまで、顔が違うかと言う美人、

直美さんはスッピンで、着ぐるみでも着てるのか

ブックブクに太って、妹の里穂はどこかで、ホステス

していて、洗濯物が溜まると、実家に持って来て

姉の直美さんをバカにしていて、洋服の直しを

居丈高に命令したりして、仲がすこぶる悪い

ある日、母親の渡辺美佐子さんが、アイロンがけの

途中、倒れて、死んでしまい、残された姉妹二人

妹の里穂は、いつものように、直美さんに毒づき

婚約者も出来たので、なお更、強気になる

直美さんは重い体で、ドスドスと２階へ上り、又、

バタバタ１階へ降りて来ると、大急ぎで、出かける

支度を始める・・・・

カメラが２階へ上るとそこには、牧瀬里穂が

絞殺されて、死んでいた、もうそこから、直美さんの

行動は、信じられない位素早い（笑）

香典の束をガバッとバッグに入れて、着の身着のまま

逃亡が始まる、直ぐ指名手配されるも

学生時代の写真しか、なかったのと、阪神大震災に

遭ったのが、幸いしたけど、逃げる当てはなく

父親が、弁天町にいるらしいと以前聞いた事を

思い出し、疲れ果て、交番に寄ると「ただいま、

パトロール中」の札！そこへ、中村勘九郎扮する

酔っ払いが来て、「弁天町は交番の外！」と言って

近くのホロつきトラックに連れ込まれてレイプ

されてしまう・・・・・

このシーンで、直美さんの叫び声があまりに

凄くて、レイプされてる、悲壮感ゼロで、観客

笑ってしまいます、勘九郎から逃げる時も

香典袋二つ、彼に手渡し「取っとけ！」と凄んで、

行き先を探しますが、とても、きのうまで、

引きこもっていた人間には見えなくて

無表情にミシン踏んでいた直美さんの顔が

生き生きして来るのです。

ようやくホテルを見つけますが、そこは、ラブホテル、

でも、支配人の岸辺一徳が大震災で、困ってる人

多勢居るのだから、泊めて欲しい人は、誰でも

泊めてあげなさいで、寝るところ見つけ、

ひょんな事から、ラブホテルで、働くことに・・・

仕事にも少し慣れた頃、支配人の岸辺一徳が

多額の負債を抱えて、首吊り自殺、こう言う時の

直美さんは社会と断絶していたとは思えない

身軽さ、警察が来る前に、逃亡！

とりあえず、駅に行って電車に乗る、そこには、

以前、チラッと観て心ときめいた、佐藤浩一が、

リストラされて、妻と娘に逃げられて、故郷の

別府に帰るところで、直美さんは行き先も

なかったので、佐藤浩一と同じ別府に行くことに・・・

ここで、観客、笑ったのは、ラブホテル時代、自転車に

乗る練習していて、角を曲がった所で、同じく

自転車に乗っていた男と正面衝突、ベチャッとした

感じで、顔を強くアスファルトに打ちつけ、

起き上がったら、ひどくイビツな顔かたち

直美さんの体当たり演技に、観客の皆さん

ゲラゲラではなく、クスクス大笑い・・・・

その顔隠して、マスクしたまま、駅弁食べる

直美さんに、佐藤浩一が、「マスク、はずして

食べれば？」と言われ、素直に従う直美さん、

浩一さんも驚いて、「どうしたの？その顔？」

「あんな、自転車でこけてん、ほいで、顔強く打ったらな

こんな、膨らんで、イビツになってな、体も、どんどん

膨らんで、こないになってしもたんよ」そう言ったら

佐藤浩一が吹き出して、止まらなくなったんです。

ひとしきり、浩一さんに笑わせて、直美さん

一言「アンタ、笑いすぎ！」体もどんどん・・・

という所は、アドリブじゃないかと思いました（笑）

そうして、別府に着き、浩一さんとは、別れ、右も

左も分からないで、ウロウロ歩いてる時、豊川悦司が

黒のバッグを足元に置いて、誰かを待っていたんですね

、、

それを、直美さん、どこ行こうと目が泳いでいるので

悦司さんの、バッグを脚蹴りしちゃうんですが、

ちゃんと謝るでもなく、歩き始めるシーンも

可笑しかったです、藤山寛美かと思いましたから、

そして、偶然知り合ったスナックのママ、大楠道代の

店で、働くことになり、香典袋持って逃げ出してから

レイプされたり、妹の亡霊見たり、自殺しようとしたら

コードがちぎれて、失敗したり、いろんな事が、

身の回りに起こるのですが、顔の表情がどんどん

生き生きしてくるんですね～

ずっと、内向的な性格だったのが、何事にも

積極的になって、クリーニング屋の２階に

いた頃とは別人のようにきれいになって、生まれて

初めて生きてる事を実感したみたいでした、

そんな頃、大楠道代の弟の豊川悦司が、

ヤクザがらみの抗争から、刺されて死んじゃうん

ですが、それを、目撃した、直美さんは、即、

別府から、フェリーで行ける姫島という所に逃げて

一人暮らしのおばあさんの手伝いをしながら

生きて行くのですが、村祭りの時、近所のこどもが

直美さんの事を別府のスナックで働いていた

写真が、ニュースでやってたと交番に届けて

万事休す、最後に彼女は、大楠道代ママに

世話になって、迷惑かけたと礼を言い、

佐藤浩一には、今度生まれ変わる事が出来たと

したら、わたしと結婚してくださいと言って

電話を切り、ピンクの浮き輪に乗って、姫島から

逃げて行くのでした～（笑）

観終わってファンタジーだったとは、思いますが

藤山直美の演技に呆気に取られた９６分！

面白かったです（笑）

余談ですが、ワタシの右となりに座った中年の

おじさん、最初から、最後まで、身じろぎもせず

観ていた！寝てるのかと思�
�たけど、何か

飲んでいたし、このおじさんも面白かった（笑）

画像はグーグルサイトから

お借りしました。