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先週、全米教育学会で、補習校で日本語を/で学ぶ子供達についての学術研究発表をしました。
アメリカには98校の日本語補習校があり、世界の中で最も学校数が多い国です。またその中でも、サンフランシスコとロサンゼルスは学生数が世界1、2位と非常に多く、それだけに先生の数も多いわけです。
「先生が多い」ということは、先生によっては、当たり外れがある危険性もあります。これは日本語補習校だけでなく、どこでもあることで、どんなにいい企業に就職しても直属の上司に恵まれないと不幸になってしまうようなことに似ています。
ロサンゼルスには、文部科学省認可の日本語補習校が2校あります。1つは「あさひ学園」もう1つは「西大和学園」です。その他にも補習校と同じ形態で教えてくれる(つまり日本の教科書を使って、日本の文科省の指導要領をもとに教える)学校はいくつかあります。
私が今回、研究者として、補習校の調査の結果を分析して驚いたのは、「補習校」と言っても千差万別で、教えている教科や時間数にもかなりばらつきがあるということです。
ロサンゼルス地区は、たまたま「親」として、「教育者」として、両校に関わることができたのですが、1つは朝から3:30まで、もう1つは1:00まででした。親としては後者(つまり短い方)が他の習い事や学校の行事を休まず行けたので良かったと思っています。後者の学校は、授業時間が短いため、高学年(4年生から)は、理科か社会か総合の中から1科目を選ぶことになっています。我が子は理科を選んたので、社会は教科書をもらっても見る機会もなく、日本に行った時 体験入学で習うくらいでした。それでも特に問題はなく、理科は補習校で習っていたからよくできた、というわけでもありませんでした。もう1つの大きな違いは宿題の量です。前者の3:30まである学校は、宿題(ドリルやワークブック)の量が多く、これを家庭でこなすために、親子喧嘩の原因になる、という声をよく聞きました。
もちろん、どちらの学校を選ぶかは、保護者とお子さん自身が決めることなのですが、教育者として提言できることは「子供の頃から2言語で学習するということは、子供にとってあらゆる面で、負担がかかることであり、それを認めて励ましてあげられる親、そして教員でなければ、子供に『補習校でも学ぶ』ということを課すべきではない」ということです。
今までにも何度も言っている通り、バイリンガルの子供に2人のモノリンガルの標準で評価してしまうこと。
これをやってしまう親、教員は、自分がバイリンガルでないことが多いのですが、これをすることによって、せっかくの子供の「バイリンガル習得」の機会を奪ってしまうこともあります。
そして「言語を学ぶこと」自体に劣等感や嫌悪感を抱く人にならないためにも、子供の学習環境は慎重に選ぶべきだと思いました。
最後にロサンゼルスで「日本語で学ぶ」には、補習校以外にもいろいろな選択肢(イマージョンプログラムの学校やオンライン学習など)があり、補習校だけが「日本語と英語のバイリンガルを育成する」場ではないということを知ってもらいたいな、と思います。
そして、2つの補習校は、それぞれ分校があるので、たまたま「合わない先生」に当たってしまったら、他の選択肢も考えてみるのがいいんじゃないかと思います。
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